壁野又三郎vol.2 >> 左官のお話をします。
Bonjour!「ボンジュール!」
Vous allez bien ?「ヴ ザレ ビヤン(お元気ですか)?」
みなさんどうもこんちにちは。
最近アラジンの曲「Whole New World」が頭から離れない、シリカライムブログキャラクター、壁野又三郎です。
1回目の登場からだいぶ期間があいてしまいました。誰だ?と頭にハテナが浮かんで当然です。自己紹介ブログがあるので、下線部のリンクへ飛んでぜひインプットしていただけるととても嬉しいです。
今日は壁野又三郎シリーズ第2弾。
シリカライムの一員として、初回はやはり左官について語らないと!と任務を感じたので、今回は左官をテーマにしたいと思います。それと…まだ私の姿をお披露目していませんでした。
歴史上人物と漢字が羅列しているので、飽きてしまったら最後に姿を確認して、閉じるボタンを押していただいても構いません。。。
それでは、ちょっとお付き合いください。
>左官とは
壁を塗る職人・仕事を指します。
左官の起源は、日本では縄文時代、竪穴住居がたくさん作られた頃といわれています。はるか昔のことすぎてさらっと流してしまいがちですが、とてもとても伝統的な建築技術です。
最初は土団子を積み上げて堀を作ったことから始まりました。
聖徳太子の時代には石灰を使い始め、織田信長と豊臣秀吉の時代には砂や繊維を混ぜるようになり、徳川家康の時代で漆喰仕上げが誕生しました。
>左官の語源は
平安時代に建築の仕事をする役人を木工寮(=建設業の役所)の属(さかん)と呼んでいました。
壁塗り職人が宮殿や宮中に出入りできるようにするため属に任命したことから、「さかん」といわれるようになりました。ちなみに左官は当て字のようです。(*他にも説はありますが、一番有力と言われています)
>左官の材料は
「骨材+バインダー+添加剤」です。
「(砂、珪藻土、すさなど)+(石灰や樹脂など骨材をつなぐ接着剤)+(施工性や安定性を持たせる界面活性剤や油など)」
→バインダーや添加剤に有機物が入っていると、劣化やカビ菌発生の原因になってしまいます。
ちなみにシリカライムは無機素材のみで構成されているので、劣化やカビの心配はご無用です。(素晴らしい材料ですね)
>左官の魅力は
なんといってもデザイン性や質感の良さと、機能性に優れている点です。
◯デザイン性
・多彩なテクスチャーを表現できる。
→角鏝、仕上げ鏝、櫛目鏝など複数ある鏝と、パターン付け用のブラシや刷毛、スポンジを駆使して、壁に表情をつけていきます。フラット、扇状、櫛引…とデザイン性の高い仕上げが可能です。(壁が絵画になりそうですね)
◯機能面
・火災に強い。
→土壁や石膏は材料内に水分を含むため火の延焼を防ぎ、無機材は燃えても有害なガスを発生させません。
・室内環境を改善する。
→原料である土や水、植物などの天然素材の力で湿度を調湿したり、石灰を含んでいればアルカリ分で化学物質を吸着分解したり、いやなにおいを消してくれたり、よく働きます。
もちろん全ての左官が同じ構成ではないので、種類によって機能性は異なります。(壁が生きているみたいですね)
・地球に優しい。
→廃材が出ないし有害物質を排出しないし…。
◯その他
・壁・柱・梁などを継ぎ目なく塗れる。
・曲面も仕上げられる。(平面だけじゃありませんよ)
なんだか左官にはいいことがたくさんあるように見えますが、長所と短所は表裏一体というように、弱点はもちろんあります。ただそれは、材料が水・空気・化学反応で仕上がる自然素材だからこそ、手仕事だからこそ生まれるデメリットになります。
>左官の弱点
・職人さんによって仕上がりの差がでやすい、均一にならない。
→手仕事だし、職人さんそれぞれ個性が異なりますから…。
・工期がかかる。
→手仕事ですもの。
・傷がつきやすい(クロスも同じ)。
→乱暴しなければ問題ないです。
・クラックが入る恐れがある。
→建物は常時揺れていて自然に反することはできないので、どうしても避けることは難しい問題です。
以上、歴史の話から始まり左官の構成材料や長所短所をお話してきました。
スタートが歴史の話で漢字が多く内容が堅くなってしまいましたが、初回なのでご了承ください。
簡潔にまとめると、左官は長い歴史を持ち合わせ、自然素材で機能性もあり、職人さんによって仕上がりも異なる、面白さと優しさと温かさを兼ね揃えている奥深い手仕事だということです。
次回は左官の仲間、漆喰・珪藻土・シリカライムの違いを語ろうかなと思います。
Merci…
といきたいところですが、姿お披露目しとかないとでした…。
テッテレー・*:.。. .。.:*・゜゚・*
・・・
みなさんの反応は見えませんが、
壁野又三郎って渋くて堅い名前なのにゆるキャラじゃないかと、存在を身近に感じていただければと思います。無事に撮影許可が下りてよかったです。
次回もよろしくお願いします^^
では、Merci, beaucoup.