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インタビュー

ふたつの月 平松朋子さん

東京と京都を拠点に活動する、フラワースタイリストの平松朋子さん。2015年6月、念願叶って自宅で塗り壁に挑戦。自宅の2階部分にあるリビングダイニングとキッチン、和室の壁を「SILICALIME S1」を使って施工されました。今回は、塗り壁にしようと思ったきっかけや、塗ってみての感想などを伺いました。 Photographs by KUMADA takahiro(MECKELU)

――なぜ塗り壁にしようと思ったのですか?

平松 自宅でお花の撮影をすることもあり、背景はクロスよりも塗り壁の方が雰囲気が出ていいなぁと思ったのが最初のきっかけです。

素朴なものや身近な花材を使った、どこか和の雰囲気のあるアレンジが平松さんの魅力

――なぜシリカライムの左官材を選んだのですか?

平松 漆喰は左官職人さんがいないとできないというイメージがあって、自分で塗るのは大変そうだなと。それならばとDIY感覚でできる珪藻土も検討しましたが、インターネットやホームセンターで情報を集めると賛否両論で、私個人としては人工的なもの(接着剤)が入っているという点が気になってしまいました。いろいろと情報を集めているなかで、ちょうど友人のお店がシリカライムの左官材を使用していたので、実際に見せてもらいお話を聞かせてもらったんです。そこで、主に自然素材のみで接着剤不使用という点と、塗った後の質感に惹かれたことが決め手となりました。

「カラーは、生活空間に馴染みやすい「NATURE(ナチュール)」を選びました」(平松さん)

――塗る前に気をつけたことはありますか?

平松 塗り壁にしようと決意したのは1月頃だったのですが、気温が低いと乾きが遅く失敗の原因にもなると言われ、6月の梅雨入り前に実行しました。乾かすことが大事なので、窓を全開にして、さらに扇風機も回しっぱなしにしていました。

下準備で一番大変だったのは養生です。左官材を塗らない箇所を汚れ防止のためにマスキングテープで保護するのですが、これが仕上がりを左右するのでとても重要だと教わって。埋め込み型の照明器具の周りや窓枠など一つひとつにマスキングテープを貼るのが大変でしたね。

「円形の部分は、養生もですが、コテの動かし方も難しかったです」(平松さん)

――実際に塗ってみていかがでしたか?

平松 友人数名に入れ替わりで手伝ってもらい、下塗りから本塗りまで3日かけて塗りました。幸い友人のひとりに左官職人さんがいたので道具の準備などを相談できましたし、プロのコテの使い方を間近で見ることができたので心強かったです。塗っていて一番難しかったのは、角の部分です。やっぱりここがピシッとしていないと格好が悪いですから。それ以外はちょっとヘタでもそれが味になりますし(笑)、塗っている間はすごく楽しかったですよ!

「天井は男性陣にお任せ。塗る人によってぴちっとしていたり、デコボコしていたりと、仕上がりが違うのも塗り壁の面白さですね」(平松さん)

――塗り終えてからの感想を教えてください

平松 今回は天井も塗ったので洞窟みたいな雰囲気になり、すっぽり包まれている感じが気に入っています。夏は心地よく、冬は暖かみがあってとても過ごしやすいです。また、シリカライムの左官材は陰影の出方が素敵で、光の当たり方によって同じ壁でもいろんな表情が出るのが面白いです。

左官材自体に匂いの吸収作用があるため、LDKでも生活臭が混ざらないのもシリカライムの特長だ

平松 天然素材で接着剤が入っていないので人工的な匂いがせず、塗り終えたその日から生活できたのもよかったです。一度塗り方を覚えてしまえば自分でメンテナンスもできますし、ゆくゆくはまたほかの部屋も塗りたいと思っています。とにかく大満足です!

「自然のもの同士なので、お花との相性もいいですね」

壁について一言

Q:平松さんにとって「壁」とは?
A:大きな花器です。

平松 花を活けるとき、花器はとても大切で、それ全体をつつみこむ壁は花器の延長線上にあり、花活けの一部でとても大切と考えています。

フラワースタイリストふたつの月 平松朋子

ひらまつ・ともこ 京都生まれ。東京のローカルな雰囲気ただよう世田谷、松陰神社前を拠点に暮らしに寄り添う花を提案。ギフトオーダー、結婚式のフラワーアレンジ、レッスン、移動花屋、活け込みなどのほか、定期的にゆかりのある京都にて花の活動をおこなう。 INFO
レッスンでは、毎月季節の花の飾り方やいけ方を提案。 http://futatsunotsuki-hana.com
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